「訪問看護ってほんとに勉強することが多いんだよね…」
「今度、ご自身では動けず臥床状態の方を受け持つことになったけど、
そういう方の食事介助とか口腔ケアの正しい方法って実はちゃんとわかってないや…」
訪問看護の対象者は、疾患・障害・家庭環境などがそれぞれで違い、
とても幅広い知識と技術を必要とします。
長年訪問看護をやっていても、未経験の看護知識や技術、
しっかり根拠を持ってできないことなどもたくさん出てきます。
今回は、
臥床状態の方の食事介助と口腔ケア
について改めて学んだことをまとめてみました✨
わたしはこういう人です↓
この記事を読めば、
・臥床状態の方の栄養状態の評価
・臥床状態の方の正しい食事介助の方法
・臥床状態の方の口腔ケアの必要性
・臥床状態の方の正しい口腔ケアの方法
がわかります!
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訪問看護ではこのようなケースを受け持たせていただく機会は多いんじゃないかと思います。
実際の現場でぜひいかしてみてくださいね♬
「食べること」「エネルギー摂取」は生命を維持していくために必要なこと
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人は生きていくためには何かしらの方法で食事(栄養・エネルギー)をとる必要があります。
方法としては、
・口から食べる
・経管栄養(経鼻、胃ろう、腸ろう)
・点滴
などがあり、
病状、意識レベル、嚥下状態、ご本人・ご家族の希望などを総合し、
医療者・ご本人・ご家族と話し合って決めていきます。
今回は、口から食べる場合について書いていきます(^^)
栄養状態の評価の方法
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食事の支援を行うに当たり、
その方の栄養状態はどんな状態か?
必要な栄養は足りているのか?
と、栄養状態の評価をすることはとても大切です。
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定期的に評価しましょう!
栄養状態の評価は以下の方法があります!
1.身体測定による栄養評価の方法(成人)
体格指数(BMI)→
体重(kg)÷(身長m×身長m)
【評価】
18.5未満:やせ
18.5以上25未満:標準
25以上:肥満
%理想体重(%IBW) →
測定時体重(kg)÷(身長m×身長m)×22
【評価】
栄養障害
軽度:80〜90%
中等度:70〜79%
高度:70%未満
体重減少率(%LBW) →
(通常体重−測定時体重)/通常体重 ×100
【評価】
1週間で1〜2%または1ヶ月で5%の体重減少⇒有意な変化
【ポイント】
・浮腫や腹水などによる体液の変動がある場合には参考値としてとらえ、身体計測値だけではなく生化学データも考慮して総合的に評価する。
・体重を測定できない場合は、目安としてベルトの穴が1つ縮まると体重が2kg減っていると考えられる。寝たきりで体重を測定できない場合は腹囲を測って目安にする、または家族が抱きかかえるか背負って体重計に乗ってもらう方法もある。
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ケースに合わせた方法でできる範囲で評価してみましょう!
2.生化学データによる栄養評価(成人)
採血データも参考にできる場合はしましょう!
項目別 | 略称 | 基準値 | 評価 |
アルブミン | Alb | 3.8〜5.2g/dL | 栄養障害 軽度3.0〜3.5 中等度2.1〜2.9 高度2.1未満 |
プレアルブミン (トランスサイレチン) | PA (TTR) | 21〜43mg/dL | 栄養障害 軽度10〜15 中等度5〜9 高度5未満 |
総コレステロール | T-cho | 130〜220mg/dL | 栄養障害 120mg/dl以下 日動変動が少なく透析の影響を受けにくい |
コリンエステラーゼ | ChE | 200〜450U/L | 栄養障害で低下する 肝蛋白合成能の指標となる |
亜鉛 | Zn | 70〜110μg/dL | 70未満は生理活性物質の機能低下を考慮 |
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主治医と連携して、必要な情報を確認・共有できるといいですね。
難しい場合もあると思うので、自分なりの根拠を持って相談できると良いかと思います。
3.低栄養の目安(おおよその見当)
上記のように厳密に把握するのが難しい場合には、
どれかおおよその見当だけでもつけれるといいかもしれません。
・体重減少が6ヶ月間に−2〜3kg、または6ヶ月で−3%
・BMIが18.5未満
・血清アルブミン値が3.5g/dL未満
・血中コレステロール値が150mg/dL未満
出典:訪問看護アイデアノート
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低栄養状態が疑われる場合には、
医師や管理栄養士などに相談していきましょう。
1日に必要なエネルギー量について
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1日に必要なエネルギー量について把握することも大切です。
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どのくらい食事を提供してよいかの目安がないと困ります。
1日の推定エネルギー必要量
性別 | 男性 | 女性 | ||||
身体活動レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
18〜29歳 | 2300 | 2650 | 3050 | 1650 | 1950 | 2200 |
30〜49歳 | 2300 | 2650 | 3050 | 1750 | 2000 | 2300 |
50〜69歳 | 2100 | 2450 | 2800 | 1650 | 1900 | 2200 |
70歳以上 | 1850 | 2200 | 2500 | 1500 | 1750 | 2000 |
上記表の身体活動レベルの日常生活内容は、
低い(Ⅰ)⇒生活の大部分が座位で、静的な活動が中心
ふつう(Ⅱ)⇒座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客など、あるいは通勤・買い物・家事・軽いスポーツなどのいずれかを含む場合
高い(Ⅲ)⇒移動や立位の多い仕事への従事者、あるいはスポーツなど余暇における活発な運動習慣を持っている場合
です。
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1日に必要なエネルギー量に悩んだら、
目安として参考にしましょう!
臥床状態での必要エネルギー量
身体活動レベルが極度に低下し自力では活動できない(寝たきり)の状態であっても
生命維持に最小限のエネルギーが必要で、
これを1日基礎エネルギー消費量(BEE)と言います。
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前述した「身体活動レベルⅠ」よりもさらに活動量が低い方です。
BEEを算出するには『ハリス・ベネディクトの式』を用いることが多いです。
【ハリス・ベネディクトの式】
・男性:66.47+(13.75×体重kg)+
(5×身長cm)−(6.75×年齢)
・女性:655.1+(9.56×体重kg)+
(1.85×身長cm)−(4.68×年齢)
これが寝たきりの状態の方の1日の基礎エネルギー消費量の目安になります。
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あなたの受け持ち利用者様はどうでしょう?
こちらもぜひ参考にして計算してみてくださいね。
多職種とも連携して評価していく
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在宅では、そのお宅に関わっている職種が訪問看護師だけではなく、様々な場合が多いです。
医師、歯科医師、管理栄養士、言語聴覚士、ヘルパー、訪問入浴…などなどです。
そいうい場合は、多職種すべてとしっかり連携して評価・対応していく必要があります。
関わる職種全員が同じ方向を向いて支援していけるよう、
また、ご本人・ご家族の思いをしっかりキャッチし共有していけるよう、
情報交換・共有・支援内容の統一などに積極的に取り組んでいく必要があります。
臥床状態の方の食事介助
次は、臥床状態の方の食事介助についてです。
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しっかり押さえていきましょう!
食形態
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むせがある場合はとろみをつけましょう。
とろみの程度は、咀嚼能力や食塊保持と送り込み能力などによって決めます。
ゼリー・プリン・ムース状を目安にし、
それぞれの能力に合わせて調整しましょう。
食事時の体勢
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臥床状態で自身で食事が食べられず食事介助が必要な場合は、
ベッドを約30〜60度
にし、苦痛を感じない角度にします。
後頭部にバスタオルなどを入れて、背中と頭が直線にならないようにしましょう。
(気管に垂直に流れ落ちることを防ぐため)
ベッドの挙上機能を利用し体勢を整える場合には、
・足上げをしてから背上げをする(圧迫やずれを解消するため)
・腰はベッドの折れ目にきっちり合わせる
・膝は軽く曲げた状態になるよう、ベッドの折れ目に膝を合わせるか、膝下にクッションを置きずり落ちないようにする。
・足底にクッションを入れる
・顎が少しひけた状態になるように枕などで調整する
(胸と顎の距離は4横指が入るくらいの距離になるように)
・腕を支えるクッションを入れる
(腕の重さを支えることで首周囲の緊張が和らぎ嚥下機能が向上する)
・体が傾く場合は枕やタオルを入れて安定させる
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しっかり安全安楽な体勢を整えましょう!
介助時の注意点
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食事介助の時の注意点です。
・介助者は横に座って目線を同じにする
・飲み込む時は喉仏が上下するので、その飲み込みを確認してから次のひと口を運ぶ
・ひと口量の目安はティースプーン一杯くらい
(多すぎても少なすぎても食べにくい)
・舌の奥に落とすようにゆっくり口の中に入れる
・はしやスプーンは下から口に運ぶ(自然に顎を引き良い姿勢になる)
・むせてしまったときは食事を中断し、前かがみの姿勢をとって咳を促す
(むやみに背中を強く叩いたり、むせた瞬間にお水を飲むよう促すのはNG)
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しっかり頭に入れて十分注意して行いましょう!
口腔ケアの必要性
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口腔ケアはとっても重要なケアのひとつです。
口腔ケアの目的、必要性は以下の通りです。
・口臭やう歯(虫歯)、歯周病の予防
・唾液分泌の活性化
・摂食嚥下機能の維持
・誤嚥性肺炎予防
・口腔内の爽快感が得られる
・味覚の回復、食欲の向上
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臥床状態の方にとって、口腔ケアはとても大きな意味があります!
ケアの時間をしっかり確保したいですね。
口腔ケアの方法
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必要物品
目的による分類 | 代表的な用品 | 適応・特徴など |
歯や義歯そのものに 使用する用具 | 歯ブラシ 歯間ブラシ 義歯用ブラシ | 歯がある場合に使用 |
粘膜に使用する用具 | 舌用ブラシ 歯肉マッサージブラシ | 舌苔の除去や歯肉マッサージに使用 |
歯・粘膜の両方に 使用できる用具 | スポンジブラシ くるリーナブラシ 口腔ケア用ウェットティッシュ | 素材がやわらかいので口腔粘膜を傷つけにくい 十分開口できなくても使いやすい |
口腔ケア用剤 | 歯みがき剤 洗口剤 | 汚れを落としやすくする 口臭予防効果がある |
保湿ジェル | 口腔内乾燥の予防や口腔内マッサージの 潤滑剤として使用する | |
洗浄時の注水に 使用する用具 | コップ ストロー 吸い飲み 注射器 | 口腔内に洗口用の水を含む |
洗浄時の排水に 使用する用具 | ガーグルベイスン 吸引器 吸引チューブ付き歯ブラシ | 自分で吐き出せない場合は吸引器、 吸引チューブ付き歯ブラシを使用する |
ケアを効果的に行う ための補助用具 | 舌圧子 開口器 懐中電灯 リップクリーム | 開口障害がある場合に使用 視野確保 ケア後、口唇の乾燥予防に使用 |
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それぞれのケースで必要に応じて準備しましょう。
口腔ケアの手順
では口腔ケアの手順を説明します!
1.姿勢を整える
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口腔ケア時の姿勢は、唾液や汚染物質の咽頭への垂れ込みを防ぐため、
頸部前屈位の座位
が望ましいです。
ベッド上臥床で実施する場合は、
できれば30度程度は頭部挙上し、
頭を左右どちらかに向けて下側にした頬部に唾液が溜まりやすくなるようにします。
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麻痺などで口腔の感覚に左右差がある場合は、
麻痺がない、あるいは症状が軽い側を下にするとOKです。
2.口腔を加湿する
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乾燥した口腔に対してブラッシングや粘膜ケアをすると、傷つけて出血したり痛みの原因になります。
含嗽が可能であれば水で含嗽をしましょう。
難しい場合は、
スポンジブラシを水に浸してよくしぼり、
口腔粘膜をタッピングするように湿らせましょう。
3.義歯がある場合ははずす
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<義歯の管理>
1.洗浄時は義歯用ブラシまたは柔らかい歯ブラシでヌメリがなくなるまで洗う
・洗浄時は、一般に用いる歯磨き粉は使用しません。一般の歯磨き粉は研磨剤や発泡剤が含まれているので傷がつきやすくなります。
・義歯の洗浄は基本的に歯磨き粉を使用する必要はないですが、汚れのひどいときや気になる時は義歯用の歯磨き粉を使用しましょう。
・固い歯ブラシでは傷がつきやすいです。その部分が細菌の温床になりやすいため義歯はていねいに取り扱う必要があります。
2.夜間の場合は、就寝前に外して上記1を行ったあと、水・義歯洗浄剤に漬けておく
・義歯洗浄剤など科学的な清掃方法と組み合わせて行うと効果的に細菌が減少します。
・義歯用洗浄剤は洗浄ごとに使用しなくてもOK。就寝前に漬けておき、早朝に装着するのが理想的です。
・乾燥状態が続くと義歯が割れることがあるため漬けおきしましょう。
3.取り出したあとは、流水でしっかりとすすいでから装着する
4.歯をブラッシングする
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ブラッシングの目的は「バイオフィルムの破壊」です。
歯の表面についているプラーク(バイオフィルム)はうがいでは取れません。
歯ブラシで除去する必要があります。
歯ブラシはペングリップで持ち、
歯を1本ずつ磨くつもりでブラシ部を小刻みに振動させるように動かします。
十分うがいができる場合は歯磨き粉をつけて行ってOKですが、
十分うがいができない場合は原則として使用しないほうがいいです。
5.歯間部・粘膜ケアを行う
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歯間部は歯間ブラシなどを2〜3回往復させて清掃します。
粘膜ケアは強い力はいりません。
スポンジブラシなどで軽くこする程度を数回繰り返します。
スポンジブラシはコップに入れた水で洗いながらケアをしますが、
口の中を拭き取ったあとにスポンジ部をティッシュで拭いてからコップの水で洗うと、コップの水の汚れが少なくなり、頻回に水を交換しなくてすみます。
スポンジブラシの水分はしぼってからケアしましょう。
舌苔は舌用ブラシで行うと良いです。
6.十分に洗浄する
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ブラッシングによって破壊されたバイオフィルムや口腔粘膜から剥離されたものなどを
しっかり洗浄・回収します。
最も有効なのはうがいです。
うがいができる場合はしっかりうがいをしましょう。
うがいが難しい場合は、
口腔ケア用ウェットティッシュで口腔内を丁寧に拭き取ることでも十分効果が得られます。
口腔用ウェットティッシュは指に巻き付け、
拭き取り面を変えながら口腔内の奥から手前に一方向に拭き取りましょう。
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ポイントは「奥から手前」です!
7.乾燥がひどい場合は保湿剤を薄く塗布する
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必要に応じて保湿剤で保湿をしましょう。
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口腔保湿ジェルは薄く伸ばして塗布しましょう。
正しい知識と正しい方法を心得てケアに当たろう!
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今回は食事の支援と口腔ケアについて記事を書いてみました。
自身で食事や口腔ケアを行えない場合、
訪問看護師やご家族などがしっかりケアをしていく必要があります。
ぜひ正しい知識と方法を身に着けてケアに当たりましょう!
利用者さん・ご家族に
喜んでもらえますように✨
ケアに当たる訪問看護師さんも、
根拠を持ってケアに当たり
心地よい達成感が得られますように✨
今回参考にさせていただいた参考書は以下のものです!
興味のある方はぜひ入手してみてくださいね♬
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訪問のお供に、とても心強い味方になってくれますよー!
▶エキスパートナース2014年9月号【さらによくなる!口腔ケア】
今回は在宅看護を想定して記事を書きましたが、
病棟でも臥床状態の方の食事介助や口腔ケアを実施する機会はたくさんあると思います。
でも、病棟業務はとても忙しいので
「正直そんなに時間も取れないし、細かくなんてやってられないよ…」と
ジレンマを感じることもあるのではないでしょうか?
もし
「患者さんのケアにゆっくり向き合いたい」
そのような看護をしてみたいというあなたは
訪問看護
向いているかもしれません(^^)
よければこちらの記事も見てみてくださいね。↓
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最後まで読んでいただきありがとうございました!