膀胱留置カテーテルを挿入しながら在宅生活を営まれている方はたくさんいらっしゃいます。
訪問看護師として、膀胱留置カテーテル挿入中の利用者様への看護について理解しておことは超重要。
現場で戸惑わないためにも必須の知識だよ!
- 膀胱留置カテーテルとは?
- 在宅における膀胱留置カテーテル挿入利用者に対する看護のポイント
- 看護師歴21年、訪問看護師歴11年目
- 訪問看護大好き😆🌸
- 転職経験3回|3か所の訪問看護ステーションでの勤務経験あり
- あなたの訪問看護転職を全力で応援したい!笑顔で生き生き働ける看護師さんが増えることを心から願っている
ぜひ最後まで読んで自信を持って対応できるようになってね!
ではさっそく解説します。
訪問看護師の必須知識!膀胱留置カテーテルとは?
膀胱留置カテーテルは、尿道からカテーテルを挿入して膀胱内に留置し、人工的に尿を体外に排出するものです。
- 尿閉や尿路の閉塞により自力で排尿できない場合
- 創傷部を汚染する可能性がある場合(仙骨や臀部の褥瘡、陰部の皮膚炎など)
- 時間ごとの尿量測定や水分出納管理が必要な場合
- 激しい頻尿で睡眠が妨げられている場合
- ターミナル期で排泄の苦痛が強い場合
- 激しい頻尿で介護者の負担が重い場合 など
訪問させていただくお宅でも膀胱留置カテーテルを挿入されている方はよくおられます!訪問看護師は膀胱留置カテーテルについてしっかり学んでおく必要があるよ😌
訪問看護における膀胱留置カテーテル使用利用者への看護のポイント6選
訪問看護で膀胱留置カテーテル挿入中の利用者さんに行うべき看護は以下だよ!
\ ✨膀胱留置カテーテル看護のポイント✨/
- カテーテルの使用状況や尿の状態を把握する
- 食事・水分摂取量を把握する
- 感染に留意する
- 医療関連機器圧迫創傷などの皮膚障害に注意する
- 利用者や家族に必要なことを伝える
- カテーテルトラブルに対し的確に対応する
順番に解説します。
カテーテルの使用状況や尿の状態を把握する
まずは基本中の基本!使用状況や尿の状態の確認✨
ポイントは『尿が流れる環境かどうか』だよ。
- 尿の量
- 尿の色、混濁の有無、臭い
- カテーテル内腔に結晶や血液などはないか
- カテーテルの屈曲や圧迫はないか
- 採尿バッグは膀胱よりも低い位置にあるか
- 採尿バッグは床についていないか
尿の量
尿量は1日1,500ml以上、最低でも1,000ml以上出ているか確認しましょう。(乏尿:400ml以下/日、無尿:100ml以下/日)
破棄した尿量を確認しメモ等とっておいてもらえるようご家族に伝えます。
尿の色、混濁の有無、臭い
感染があると尿が濁ったり悪臭が生じます。結石ができやすい方の場合は砂のような浮遊物が増えることもあります。
合わせて「元気がない」「微熱がある」などの感染症のサインもないか確認しましょう。
カテーテル内腔に結晶や血液などはないか
いつもはない出血等があり、持続する場合は医師に報告します。
カテーテルの屈曲や圧迫はないか
カテーテルが屈曲している場面は多々遭遇します。
必ず確認しましょう。
採尿バッグは膀胱よりも低い位置にあるか
カテーテル内の尿が停滞すると感染や結晶化の原因になるので要確認。
採尿バッグは床についていないか
排尿口から感染する恐れがあります。
食事・水分摂取量を把握する
次は、食事や水分の摂取量の把握。これもとても大事✨
- 1日の水分摂取量
- 1日の食事摂取量
1日の水分摂取量
1日1Lを目標に摂取できると良いです。
わかりやすいように飲んだ量をその都度ノートに記録しておいていただくのもGood。
1日の食事摂取量
お茶や水などでの水分摂取がなかなか進まない場合は、ゼリーやプリンなどの水分が多く含まれている食品を間食にし、汁物や粥などの水分を多く含む献立を工夫するのもひとつです。
感染に留意する
膀胱留置カテーテルの管理でもっとも注意が必要なのは感染だよ💦
留置期間が長いほど尿路感染を起こしやすくて、留置後30日で細菌尿のリスクが100%に近づくと言われているよ。
- 長期間の留置はできるだけ避ける
- 定期的に交換する
- 陰部洗浄を行う
- 水分をしっかりとる
- 定時に尿を捨て、ためすぎない
- 排尿口は床につけない
- 接続部は開けない
- 膀胱洗浄は基本的には行わない
- 感染徴候があればすみやかに抜く
長期間の留置はできるだけ避ける
カテーテルが本当に必要か定期的にアセスメントすることは大切です。
定期的に交換する
シリコンタイプは4週間に1回、ラテックスタイプは2週間に1回の交換が一般的です。
陰部洗浄を行う
1日1回は陰部洗浄を行います。ご家族や訪問介護員にも必要性と正しい実施方法をお伝えします。
水分をしっかりとる
1日1,000ml以上が目安です。
定時に尿を捨て、ためすぎない
1日1〜2回、時間を決めて尿を破棄するようご家族にお伝えします。
接続部は開けない・膀胱洗浄は基本的には行わない
基本的に膀胱洗浄は行いません(ただ、閉塞のリスクが高い等があるときは、医師の指示の下現場では行う場面もあります)。
膀胱洗浄をしなけれな基本的には接続部もあけることはないと思います。
医療関連機器圧迫創傷などの皮膚障害に注意する
皮膚トラブルには十分注意!
- カテーテルや接続部にタオルやハンカチを巻いて皮膚に直接当たらないようにする
- カテーテルのテープ固定は状況に応じて検討する
カテーテルや接続部にタオルやハンカチを巻いて皮膚に直接当たらないようにする
ご自宅にあるものを活用し、接続部などが直接皮膚に当たらないよう工夫します。
カテーテルのテープ固定は状況に応じて検討する
カテーテルのテープ固定は必須ではありません。
体を動かす機会が多い場合や、無意識に動いてしまい尿道損傷や自然抜去のリスクが高い場合は固定方法を検討します(基本的に男性は腹壁固定、女性は大腿部内側に固定)。
- 皮膚刺激の少ないテープを選択
- 貼る場所を毎日変える
- 皮膚保護剤や皮膜剤を使用する
上記もポイントです。
利用者や家族に必要なことを伝える
利用者さんやご家族がカテーテルについて正しく理解し不安なく過ごせるよう、必要なことはわかりやすくしっかり伝えよう!
- 合併症や起こり得るトラブル、その予防について説明する
- 排尿量測定について説明する
- 清潔保持について説明する
合併症や起こり得るトラブル、その予防について説明する
以下の内容を都度ご説明します。
合併症や トラブル | お伝えする予防&対処方法 |
尿路感染 | ・1日の尿量が1,000〜1,500mlは出るように飲水を促す ・陰部を清潔に保つ (毎日入浴またはシャワー、陰部洗浄) ・採尿バッグは床に置かない ・採尿バッグは膀胱の高さより下に保つ ・カテーテルやチューブのねじれ、閉塞を避ける ・尿を破棄するときは手袋を着用し、 排液口が排液用の容器にふれないようにする |
膀胱結石 | ・水分摂取を促す (クランベリージュースやビタミンCの摂取で 予防効果あり) |
尿道損傷 | ・カテーテルを引っ張らない |
尿もれ カテーテルの閉塞 | ・ミルキングの方法を説明 (カテーテルを上から下に指先で押していきしごく) ・「尿量がいつもより少ない」「下腹部が張る」 「強い尿意を感じる」「下腹部痛がする」など、 カテーテル閉塞時の症状も予め伝えておく ・カテーテルの屈曲や閉塞がないか確認し、 なければ医療者へ連絡する |
緊急時の連絡先(訪問看護ステーションの電話番号)はすぐわかるところに貼っておくなどの工夫も行っているよ。
排尿量測定について説明する
- 時間を決めて採尿バッグから1日に1回以上は尿を破棄する
- 1日尿量のチェックをする
- 排液口を閉め忘れない
利用者さんやご家族が慣れるまでフォローも忘れず!
清潔保持について説明する
- 毎日入浴あるいはシャワー、陰部洗浄により、尿道口の清潔を保つよう説明する
- 入浴やシャワーの際には、採尿バッグ内の尿は捨て、接続部は外さずそのまま入るよう指導する
毎日の清潔ケアがどうしても難しい場合は臨機応変に対応する場合もあるよ。
カテーテルトラブルに対し的確に対応する
\ カテーテル留置中の3大トラブル💦/
- 尿路感染症
- カテーテルの閉塞
- 自己抜去
予防 | 起こってしまった時の対処 | |
尿路感染症 | ・1日1,000ml以上の飲水 ・毎日の陰部洗浄 ・採尿バッグ内に尿を溜めすぎない ・接続部はあけない ・採尿バッグを床につけない ・採尿バッグは膀胱より低い位置を保つ | ・発熱などの感染症状があった場合は 医師に報告し必要な処置を確認する |
カテーテルの 閉塞 | ・定期的なカテーテル交換 ・ミルキング ・水分摂取 (膀胱結石予防でクランベリージュースやビタミンCを摂取) | ・医師に症状や状況の報告をし必要な処置を確認(カテーテル交換、どうしても必要な場合は膀胱洗浄など) |
自己抜去 | ・利用者さんが気にならない固定の工夫 ・レッグバッグなども検討 | ・医師に状況を報告し必要な処置を検討(再挿入やカテーテルの必要性の検討など) |
迷ったり悩んだりしたときは、訪問看護ステーションの上司やスタッフ、多職種等とも相談し合いながら進めていこう✨
膀胱留置カテーテルに関するまとめQ&A
訪問看護師は膀胱留置カテーテルについてしっかり知識を持っておこう
訪問看護の現場では、膀胱留置カテーテルを使用されている利用者さんを受け持たせていただくことも多いです。
利用者さんやご家族が安全に安心して過ごせるよう、しっかり支援していきましょう!
一緒に頑張ろうね!
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最後まで読んでいただきありがとうございました✨